地域と美術のはじまり

こんにちわ。

地域と美術主催 画家のすうひゃん。です。

私は2011年に東京から移住し宮崎県綾町に来ました。

移住してから東京でのイラストレーターの仕事を辞めて、綾町の役場で国際交流員として働いていました。働きながら当時”文化的な事を地域に還元したいけど、何者でも無い自分がとても無力だな。。”という問題意識が生まれました。その後、役場の仕事をやめ、活動や発表の見通しも無いままでしたが、都会の暮らしでは出来なかった”大きな絵を描くこと”を始めました。当時目標に掲げたのは”美術館で展示する””アートフェアに参加する””海外での展示”でした。そしてあれから8年が過ぎ、美術館や個展、グループ展、海外での展示、絵の販売もできるようになりました。

 

地域と美術の幸せな出会いを

私の移住した綾町は森林伐採を拒否し、森を守った当時の町長であった郷田實さんが提唱する”ほんものとは嘘をつかないもの”であるという理念が反映されている素敵な場所です。フェイクやコピーが溢れる今”ほんもの”という言葉は少し時代遅れな言葉になってしまったかもしれません。嘘をつかずに誠実であることやユーモアを持って生き、時に人生の困難に立ち向かうことは、人間本来の力に光を与えると思います。私の思う美術には、それを培う力があります。

 

小さな自治体にいる作家だからできること

2015年に作家を初めてから描いてきた”半径2キロのポートレイト”は、小さな自治体で生きる様々な環境にある子をテーマにしたシリーズです。テーマは小さな場所で起こっている事かもしれないけれど、同時に”広い世界にいる他の誰かのことを代弁する”という考えのもとに、”狭いけど深く見つめること”や”本当は境界の無い世界を生きている”を思いながら製作してきました。この地域と美術の活動もまたその一環であり、いろんな経験を経た今、地域にその力を少しでも還元できたらと考えました。

※作品はInstagramをご覧ください

https://www.instagram.com/soohyang03/?hl=ja

道しるべになる美術

私がそうであったように創作は道に迷った人にとって小さな道しるべになるし、子供にとっては知的探究と人格形成に力を与えてくれます。地域が抱える問題はその地域によって様々です。価値観がどんどん移り変わる目まぐるしい時代ですが、ゆっくりと時間が流れるこの場所では、美術を通してそれぞれの地域の人たちが感じている意識に少しでも明かりが灯ったら良いなと思っています。とても厳しい時代がやってくるかもしれない今、一人一人の心を守ることはとても大切です。

自身の制作と活動は今まで通り続けながらも”地域と美術の幸せな出会い”をこの場所で考えていきたいと思います。今はまだやりながら構築していくセルフビルドのようなイメージです。何をやるか決め、それ以外できないことではなくて、何にでも形を変化させることが出来、そうやって子供たちや地域の様々な課題に対して力を添えられたらと考えています。手探りではありますが、スタートします。

地域と美術の理念に共感してくださり共に参加してくださる方がいたら嬉しいです。読んでくださりありがとうございます。

 

すうひゃん。